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函館駅での一首。
かつて函館駅は青函連絡船と接続していて、霧笛が聞こえる駅であった。今は列車の汽笛だけだが、霧笛が聞こえたら、条件反射で港を振り向いてしまいそうだ。
参考文章 函館の塩ラーメンと夜景 |
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津軽海峡線知内駅での一句。
駅のホームで雪掻きをしている人に、ひっそりと雪が降っている。
参考文章 知内の大秘宝 |
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函館市電十字街駅での一首。
十字街駅に降りてみたら、坂本龍馬の銅像と会ってしまった。もし、暗殺されていなければ、新天地北海道に渡って、新生日本の為に一肌脱いでいたのかも知れない。だけども、慣れない雪を被っている龍馬さんは、必死に耐え続けている。そんな状況で思っているのは、故郷の土佐のことか、行きたかった函館のことか?
参考文章 函館での珍客との遭遇 |
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函館元町カトリック教会での一首。
雪の中を歩いて疲れてしまったので、丁度門戸が開いているこの教会へ雪宿りした。讃美歌が流れ、雪の寒さを忘れさせてくれた広い教会だった。私はクリスチャンではないが、平等に分け与えてくれる神の恵みを噛み締めていた。
参考文章 教会での雪宿り |
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函館市電末広町での一首。
屋根が無い道路のど真ん中にある末広町駅に、誰が作ったのか判らない小さな雪だるまがあった。慣れない雪と格闘している東京人にとって、雪に対する気持ちを和らげる大きな安らぎに見えた。
参考文章 教会での雪宿り |
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夜景見しブルーカクテル傾ける双方に酔ふ函館の夜
彩りし宝石迷ふその夜景雪の函館啜るカクテル |
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旅日記に掲載されていないが、ホテルのバーで一服した時の二首。
夜景が綺麗な函館。その夜景を見ながら、ブルーカクテルを啜った。綺麗な夜景とカクテルの酒精に酔いしれる函館の夜。
夜景の一つ一つが綺麗な宝石のようで、どれが一番綺麗なのか、そう迷いながら啜るカクテル。 |
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ロワジールホテル函館での一首。
窓から見たら、雪で見えなかった遠くの嶺が見えて、海には何とも綺麗な気嵐(けあらし)が立っていた。滞在した2日は雪が降っていたので、遠くの景色は見えなかったが、この日は晴天だった。そのため、遠くまで景色が見えただけではなく、函館港もよく見えた。その景色を見ながら、私は函館を発つのだ。
参考文章 晴れた冬の函館の朝 |
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朝風の冷たさ変えし桜咲く
桜咲き楽に越せたり春便り越すに越されぬかの大井川 |
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上は東海道新幹線小田原付近での一句。
チラホラと桜が咲いている小田原。それは、朝風の冷たさを心地良さに変えてくれるかのようだ。
下は大井川通過時の一首。
「越すに越されぬ大井川」と謳われた大井川だが、桜が咲いた春の便りはいとも簡単に越えてしまう。
参考文章 旅路に春を求めて |
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桜咲く池の漣待つ菖蒲
暗き身の若葉恋しき春便り願わくば抜け菖蒲咲く頃
桜(はな)愛でし柑橘熟れし神楽かな |
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旅行記には無いが、伊勢神宮外宮・内宮での俳句と短歌。
桜が咲いた時期に、暖かい風が吹いてきて、外宮の勾玉池に漣が立った。近くには菖蒲が植わっている場所があり、咲く時期を心待ちにしている。そんな場所に立つ療養中の我が身。菖蒲が咲く頃には、復帰できるように願った。春を「若葉恋しき」と表現した。
内宮の神楽殿では、(名前は知らないが)柑橘が生っていた。(途中の)おかげ通りで桜を愛でた後だから、余計春の訪れを感じさせた。できれば、そんな春を愛でる神楽が流れて欲しかったな。 |
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巣作りと花見供する親燕
気に入りし桜眺める旅人の同じく視線親燕かな
春祝う鼻歌桜親燕 |
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おかげ通りでの二句と一首。
巣作り中の燕と一緒に、咲いている桜を愛でる。
その中でお気に入りの桜を見付け、暫く眺めていたら、視線と同じ方向に燕が飛んできた。そして、「桜」と「燕」が織り成す春の光景を見て気分が良くなり、鼻歌が出てきた。
参考文章 桜咲く伊勢神宮 |
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