旅人の和歌帳 4


 堀川口橋を通る貨物無し廃り知らずに跳ね上げて待つ
 旧東海道本線貨物線の堀川口跳上橋での一首。
 この橋は有形文化財で、何時も片方が跳ね上げられた状態で保存されている。しかし、此処を通る貨物列車は昭和55年に廃止され、船が行き交う事はない。それを知らないで、跳ね上げられた状態でいて、出番を待っているかのようだ。

 参考文章 堀川口跳上橋
 日常の生活断片各々の非日常の我が娯しむ
 桶狭間に向かう途中での一首。
 平日に旅したので、普段見られない光景が眼前に広がっていく。しかも、各々が各々の日常を送っているので、興味が尽きない。「これが日常の光景」だと非日常の世界に身を置いている私が娯しんでいる。

 参考文章 導かれし桶狭間
 突かれて項払いし松葉かな
 二条城での一句。
 二ノ丸御殿を写真に収めようと、位置を決めていたが、項に何かが刺さった。咄嗟に項を払って、後ろを向いたら、松葉に刺さったのだ。

 参考文章 懐かしき二条城
 二条城修学旅行とすれ違い18年前のその我と会う
 二条城での一首。
 休憩所に入ると、修学旅行生で賑わっていた。すると、18年前中学2年生だった自分に出会ってしまった錯覚が生まれてしまった。果たして、どんな修学旅行を送るのか。

 参考文章 面白き二条城


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