旅人の和歌帳 5

 鈍行に揺られ揺られて鰻食ふ撮る間逃すな秋の飛騨川
 高山本線下呂〜焼石での一首。
 鈍行で美濃太田に向かう車内で、下呂温泉で買った鰻丼を頂く。その序でに、往路で取り逃した飛水峡を撮ろうとシャッターの準備をしながら、秋の飛騨川に目をやる。

 参考文章 昼餉は上鰻丼で……
 天日干し傍らの柿熟れを問ふ
 高山本線福来(ふくらい)信号所での句。
 列車の行き違いで停車していた時、偶然稲刈りを終えた稲の天日干しを見付けた。近くには柿が実を生らしている。どの位熟れているのだろう。そう問い掛ける。

 参考文章 昼餉は上鰻丼で……
 昼餉時鉄路で巡る飛水峡ウトウトし掛ける時こそ貴重
 高山本線上麻生付近での一首。
 待望の飛水峡が撮れ、緊張が解けた。次第に、眠気を催してきた。時間を見ると、13時15分前。普段は仕事で一息付いているのだが、今日は平日ながらその事は気にしなくてもいいのだ。この時間こそ貴重そのものだ。

 参考文章 狙うは飛水峡


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