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小雨が降っている築地での一句。
連日賑やかな築地に小雨が降った時、私は傘を差しながら10数分も掛けて、築地小劇場跡を見付けた。その後、築地場外市場の中華そば屋に行って、中華そばを頂いた。頂いている間に小雨が止み、晴れ間が見えてきた。築地の賑やかさと、美味しかった中華そば、そして、晴天に向かおうとする空が、これからの旅にいい事があるかも知れないと、思わせてくれるのである。
参考文章 築地本願寺・築地場外市場 |
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旅日記には無いが、稲毛海岸駅から北東にあった海洋公民館での一句。
かつて活躍していた巡視船「こじま」が展示されていた。その近くの案内板には、50年前に活躍していた事が判る。しかも、当時は海であった事を証してくれるかのように、砂が堆積している水溜まりに浸かっていた。
今は、廃船となった巡視船の栄華を偲ばせてくれる。 |
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稲毛民間航空記念館での一句。
大正時代に造られた飛行機「鳳(おおとり)」号のレプリカが保存されている所で、資料に因ると、当時の稲毛は白砂青松の美しい海岸であって、干潟を飛行実験場にしたという。時は流れ、昭和60年に復元した「鳳」号を飛行させた時、かつての白砂青松の海岸も、この時だけ蘇り、飛び立った「鳳」号を祝福しているかのようである。
参考文章 稲毛民間航空記念館 |
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稲毛記念館の3階展望室での一句。
有料双眼鏡で、春が近い東京湾に行き来している船を、(子供のように)ジッと眺めている。
参考文章 稲毛記念館 |
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千葉みなと潮風薫るこの土地に高く聳えるポートタワーよ |
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千葉ポートタワーでの一首。
三方が海に囲まれた千葉みなとは、海の雰囲気を空にも建物(ポートタワー)にも醸し出していて、市民や観光客に受け入れられている。そんな所にスラッと、125メートルのポートタワーが建っている。
参考文章 千葉ポートタワー |
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いなげの浜での一首。
いなげの浜の防潮堤には、色々な文が書き連ねてあるのを見付けた。それも目立つ白で書かれてあって、その文を読むと、遠き青春の文、再会を誓う文、失恋を悼む文、相手に渾身の想いを綴った文等、色々な人間模様が読み取れる。そんな文を読んでいると、自然に雰囲気に吸い込まれ、潮風も薫り高くなっていくのである。
参考文章 いなげの浜 |
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千葉港観光船での一句。
千葉港内にある丸紅空港公団の近くを走っていると、鴎が数匹群れを成して、乗客から与える餌を抓んでいた。それを抓み終えると、夏の青空をスッと泳ぐかのように、滑らかに飛び去った。
参考文章 千葉港観光船 |
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この旅は長きて娯し新木場の終わりを告げし沈みし夕陽 |
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新木場公園での一首。
暗い気持ちを払う為のこの旅は、とても長くて娯しかった。その旅が、夕陽を見ようと訪れた新木場公園で終わる。夕陽が沈んだ時、この旅の終わりを告げるのだ。
参考文章 新木場公園 |
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さよならと別れを告げし春の日は誇る梅花も枝から別るる
わかれ道辿る街は異なれどかの地で再び逢える約束 |
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房総半島を走る内房線と外房線は、千葉を起点とするが、途中の蘇我で別れる。内房と外房は雰囲気も魅力も異なる。
上の一首は、外房線に乗っている私が、鎌取に向かう途中、ジッと内房線を見送る行動を取った。一緒にいたのは僅か。もう少し居たいと思っていても、進路が違うならば、どうすることも出来ない。「さよなら」だ。時期は3月下旬。咲き誇っていた梅も散る時期で、こちらも「さよなら」と別れを告げているようだ。
下の一首は、蘇我から分岐する内房線と外房線だが、両線共安房鴨川が発着地点。辿る街は違っても、ずっと遠くの街で必ず逢える約束があるのだ。寂しくはないのだ。
参考文章 記念日に外房へ……(中) |
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身体が仄かに温む春陽差しローカル線の停まりし時こそ |
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誉田(ほんだ)駅停車時での一首。
時間調整の為に停車している鈍行列車の車内に、春の陽差しが差し込んできた。身体が仄かに温まる一時だ。
参考文章 記念日に外房へ……(中) |
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